相続した空き家の実家を放置してはいけない理由

実家を相続しても、使い道が決まらず放置するケースは多いです。

しかし、使う予定のない空き家の放置は、想像以上にリスクが大きいのが実情です。

そこで今回は、相続した空き家の基本的な考え方について、専門家の視点で解説します。

空き家を放置すると、継続的に維持費や税金などの支出が発生します。

加えて、気づかないうちに、以下のようなリスクが発生する可能性があります。

・近隣とのトラブルによる損害賠償

・建物の老朽化による資産価値の低下

・特定空家等に指定されることによる行政指導

とくに注意が必要なのは、行政による「特定空家等」への指定です。

建物が著しく傷み、管理が不十分と見なされると税金の優遇措置がなくなります。

その結果、住宅用地の特例が外れることで、固定資産税が最大6倍程度に増額される可能性があります。

だからといって、住んでいない空き家の維持に出費を続けるのは得策とはいえません。

支出を抑えるためにも、早めの売却をおすすめします。

空き家の実家売却のメリット・デメリット

思い出のつまった実家を売却することは、勇気が必要です。

それだけに、メリットとデメリットを比較して、後悔のない判断をすることが大切です。

まずは、空き家の売却によって得られるメリットを確認してみましょう。

・まとまった現金が手に入り、老後資金などに充てられる

・管理の手間や維持コストをゼロにできる

・遺産分割協議がスムーズに進みやすい

(相続発生直後の場合)

一方で、以下のような売却によるデメリットも考慮しなければなりません。

・大切な場所がなくなり、寂しさを感じる

・譲渡所得が発生した場合、税金を納める必要がある

・親族間で売却価格などの意見調整に時間がかかる(相続発生直後の場合)

不動産実務の現場では「早く売ればよかった」という売主様の声をよく聞きます。

その理由は、建物は放置するほど価値が下がり、売却価格が安くなりやすいからです。

とくに木造住宅は、築22年の耐用年数を過ぎると、建物評価が大きく下がるのが一般的です。

また、築年数が30年以上になると、売却時にリフォームや解体が必要となるケースもあります。

このような余計なコストを抑えるためにも、早めの決断が賢明です。

実家を売却すべきか……迷った際の判断基準

空き家の売却にメリットがあると分かっていても、決断は難しいものです。

迷った際は、将来の予測に基づいて判断することをおすすめします。

具体的には、以下の3点に当てはまるなら、売却してもよいかもしれません。

・ご自身や親族が今後、住む可能性がない

・周辺に賃貸ニーズがなく、借り手が見つかりにくい

・建物の傷みが激しく、そのままの状態では貸し出せない

「実家を貸家にしたい」という方も少なくないですが、条件は決して甘くありません。

まず、前提として、賃貸ニーズのあるエリアに存在することが最低条件です。

さらに、少ない投資で貸家に転用できるかという視点も欠かせません。

リフォーム費用をかけすぎると、利回りが極端に低下します。

最悪の場合、トータルの収支が赤字になる場合もあります。

売却か貸家への転用かで迷ったときは、ぜひ不動産会社に相談してください。

当社では、お一人ひとりのお客様の状況に合わせ、最適なプランをご提案いたします。

実家売却で失敗しないための3つの鉄則

実家の売却を決断しても、買主がなかなか見つからず途中で諦めるケースも見られます。

売却をスムーズに進めるには、守るべき鉄則があります。

後悔のない取引を実現するため、以下のポイントを意識しましょう。

・成約事例に基づいた、適正な売出価格を設定する

・必要に応じて、有料の集客策を依頼する

・室内の不用品を早期に整理し、物件の印象を高める

適正な売出価格については、売却を依頼する不動産会社にアドバイスを仰ぐのが近道です。

たとえば、売却に期間をかけてもよいなら、相場より少し高めに設定し、反響を見ながら調整する手もあります。

逆に、短期での売却を望むなら、相場より安く設定するのも有効でしょう。

通常、集客は不動産会社のネットワークや自社サイトなどで行われます。

さらに反響を増やしたいなら、チラシ配布や地元媒体への広告出稿など有料の施策を依頼する手もあります。

これらの施策によって、近隣の潜在顧客へ直接アプローチできます。

また、室内の不用品処分は、重要度が高い項目です。

これは、生活感が残っていると、見込み客がそこでの新生活をイメージしにくいためです。

加えて、荷物が多いと建物の傷みを正確に確認できないおそれがあります。

室内を「まっさらな状態」にすることが、早期成約を勝ち取る理想的な状態です。

最後に、「3,000万円の特別控除」などの税制優遇も忘れずに確認しましょう。

こうした制度を賢く使うことで、手元に残る現金が大きく変わります。

着実な準備と戦略的な判断が、納得のいく売却へとつながります。

遠隔地の実家をスムーズに売却するコツ

遠く離れた場所にある実家を売却するケースも多いでしょう。

しかし、売主様が何度も現地へ足を運ぶ必要はありません。

信頼できる不動産会社と連携し、効率的に集客活動を進めましょう。

遠隔でスムーズな売却を実現するためには、以下の点が重要となります。

・現地の市場に詳しい、地域密着の不動産会社を選ぶ

・リモートツールや電子契約をフル活用する

遠隔地の物件を売るなら、地元の情報に強い不動産会社への依頼が心強いです。

報告がまめな業者なら、遠隔でも反響状況をリアルタイムで把握できます。

また、鍵を預けておけば、内見のたびに鍵を開けに行く必要がありません。

最近は、Zoomなどのオンラインツールを使う不動産会社が増えました。

地方の小さな会社でも、オンラインツールを導入しているケースは多いです。

こまめにコミュニケーションを取れば、遠隔でも信頼関係を構築できます。

現在では、不動産取引のオンラインでの契約手続きも可能になっています。

買主様との売買契約も、デジタルデータでやり取りが可能です。

ただし、具体的な進め方は不動産会社によって異なります。

大切なことは、「現地に行く回数を減らしたい」と、あらかじめ伝えておくことです。

ご自身の要望を明確にすることで、不動産会社から最適なサポートを受けられます。

相続について不安を感じている方へ

ここまでお読みいただきありがとうございます。

相続の問題は、実際に起きてから考えるよりも事前に整理しておくことで解決できるケースがほとんどです。

しかし多くの方が

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当事務所では、まず財産の現状を整理し、相続シミュレーションを行ったうえで
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「相続設計型コンサル」を行っています。

相続の形は100人いれば100通りあります。

ご家族の状況や財産の内容によって最適な対策は大きく変わります。

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安土珠里
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