目次
住替え資金は「3つの組み合わせ」で決まる

マイホームの売却を検討されている方の中には、売却と同時に住替え(買換え)を予定しているケースも少なくないでしょう。
住替えは資金計画を曖昧なまま進めると、想定外の資金不足に陥るリスクがあります。
今回は、住替えを円滑に進めるための資金計画の考え方を解説します。
はじめに、住替え資金の全体像を整理しておきましょう。
住替え資金は、次の3つで構成されます。
・売却による資金(手残り金額)
・自己資金(貯蓄)
・新規住宅ローン(借入)
これらの合計が、新居の購入予算となります。
重要なのは、いずれか一つでも見込みがズレると、資金計画全体に大きな影響が出る点です。
場合によっては、計画そのものが成立しなくなる可能性もあります。
そのため、それぞれの資金の中身と注意点を正確に把握することが欠かせません。
まずは3つの要素の中でも、とくに誤差が生じやすい「売却による資金」から解説します。
「売却資金」は、知識が不足していると、想定より手取りが大きく減るケースもあるため、しっかり確認していきましょう。
1.売却資金:ローン残債と諸費用を正確に見込む

初めてマイホームを売却する人に多い誤解は、「売却資金=売却価格」と考えてしまう点です。
実際の売却資金は、売却価格からローン残債と諸費用を差し引いた「手残り(手元に残る金額)」です。
たとえば、4,000万円で売却できた場合でも、諸費用が約150万円、ローン残債が3,000万円なら、手残りは850万円にとどまります。
主な諸費用は、以下のとおりです。
・仲介手数料
・住宅ローンの一括繰り上げ返済手数料
・抵当権抹消費用(登録免許税・司法書士報酬)
・印紙税
・譲渡所得税(売却益が出た場合)
上記のうち、仲介手数料は、一般的な取引であれば上限である「3%+6万円+消費税」が上限となります。
また、売却益が出る場合は、譲渡所得税も発生します。譲渡所得は、以下の式で算出できます。
売却価格 −(取得費+譲渡費用)
この金額に対して、約20%の税率が課されます(所有期間が5年を超える場合)。
ここで重要なのは、売却価格の見積もりです。
資金計画では「高く売れた場合」ではなく、「現実的に売れる水準」で見込むべきです。
あらかじめ保守的に見積もることで、想定と実際の手残りのズレを最小限に抑えられます。
2.自己資金:適正な頭金で「安全余力」を残す
自己資金(手元資金)の大半を、頭金に充てるのは避けましょう。
自己資金は使い切らず、「安全余力」を残すことが重要です。
理由は、想定外の支出に備えるためです。
住替え後は、修繕や設備交換が発生する可能性があります。
また、病気や失業などで収入が減少するリスクもあります。
さらに、コロナ禍のように、社会や経済が急変するケースもあります。
こうした局面では、手元資金の有無が生活の安定を左右します。
ただし、現金を持ちすぎるのも合理的とは言えません。
インフレ局面では、現金の実質価値は目減りします。
一方で、低金利環境であれば、借入を活用した方が資金効率は高まります。
つまり、重要なのは「残しすぎず、使いすぎない」バランスです。
自己資金の基準は、以下の通りです。
・半年分以上の生活費を手元に残す
・住替えに伴う予備費として100万円程度〜を確保する
・残った資金で無理のない頭金を設定する
この基準を押さえることで、資金ショートのリスクを抑えながら、安定した住替えを実行することができます。

3.住宅ローン:「借りられる額」ではなく「返せる額」
新規の住宅ローンを検討する際、「いくら借りられるか」に目が向きがちです。
しかし本当に重要なのは、「将来にわたって無理なく返せるか」です。
一般的に、無理のない返済比率(年収に占める年間返済額)は20〜25%以内という識者の意見が多いです。
一方で、金融機関によってはこの基準以上でも借入可能とするケースもあります。
この上限を基準に借りてしまうと、生活に余裕がなくなるリスクが高いと言えます。
とくに注意したいのは、「現在の年収と支出だけで借入額を決めること」です。
将来は、転職や出産、教育費の増加などで家計は大きく変動します。
その変化を前提に、余裕を持った返済設計にする必要があります。
以下の視点を持って、借入額を慎重に判断しましょう。
・教育費が最もかかる時期でも、返済が滞らない水準にする
・定年退職時に、ローン残高を大きく圧縮できている状態を目指す(理想は完済)
・金利上昇や固定資産税の増加などのリスクも織り込んでおく
住宅ローンは長期にわたる固定費です。
無理のない返済計画を組むことが、結果として新生活の満足度を高めます。
住替えをスムーズにする資金設計の考え方
資金計画の目処が立ったら、次に判断すべきは「マイホームを売るのが先か、住替え物件を買うのが先か」です。
資金に余裕を持たせたい場合は「売却先行」が基本です。
先に売却が成立すれば、確定した手元資金をもとに新居を選べます。
売却先行で進める場合のポイントは、以下の通りです。
・市場調査を行い、自宅の売却可能額を正確に把握する
・仮住まい費用を含めた総コストを試算する
・売却活動と並行して、購入条件を具体化しておく
一方、「買い先行」は注意が必要です。
現在の住まいが売れるまで、二重ローンになる可能性があります。
その結果、資金繰りに追われ、相場より安く売却してしまうおそれがあります。
「どうしても買い先行にしたい」という場合は、つなぎ融資を活用する方法もあります。
ただし、金利や手数料の負担が発生するため、慎重な判断が必要です。
このように、売却と住替えを同時に進めるのはハードルが高いプロセスです。
判断を誤ると、資金面で大きな負担を抱える可能性があるため注意しましょう。
当社では、資金計画も含めて、売却から住替えまでを一貫してサポートしています。
お客様の状況やリスク許容度に応じて、最適な進め方をご提案します。
まずは無料の個別相談からご検討ください。
豊富な専門知識と実務経験を持つ担当者がしっかり伴走させていただきます。
相続について不安を感じている方へ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
相続の問題は、実際に起きてから考えるよりも事前に整理しておくことで解決できるケースがほとんどです。
しかし多くの方が
- 何から始めればいいかわからない
- 自分の財産状況が整理できていない
- 不動産をどう分けるべきか悩んでいる
という状態のまま時間が過ぎてしまいます。
当事務所では、まず財産の現状を整理し、相続シミュレーションを行ったうえで
複数の相続対策の選択肢をご提案する

「相続設計型コンサル」を行っています。
相続の形は100人いれば100通りあります。
ご家族の状況や財産の内容によって最適な対策は大きく変わります。
もし
- 相続対策を何から始めればいいかわからない
- 不動産をどうするか悩んでいる
- 家族が揉めない相続にしたい
という方は、一度ご相談ください。
初回相談では現在の状況を整理し、今後の方向性をわかりやすくお伝えします。
投稿者プロフィール

最新の投稿
お役立ちコラム2026年5月28日売却時の「住替え」をスムーズに進める資金計画は?
お役立ちコラム2026年4月28日空き家となった実家を売却する際のポイントは?
お役立ちコラム2026年4月8日相続税 基礎控除の不動産評価で損しない具体策
お役立ちコラム2026年4月7日 令和8年度税制改正で賃貸経営はどう変わる?

