相続人調査と法定相続情報一覧図の作成
~相続の第一歩をスムーズに進めるために~

目次
第1章 なぜ「相続人調査」が必要なのか
相続の手続きを進めるには、まず「誰が相続人になるのか」を正確に把握することが欠かせません。
相続人を誤って手続きを進めると、後からトラブルになる可能性が高く、最悪の場合は手続きのやり直しや紛争に発展することもあります。
たとえば、次のようなケースです。
- 亡くなった方に前妻との間に子どもがいた
- 認知された子がいた
- 養子縁組をしていた
戸籍上のつながりを正しく確認しないと、相続人を一部見落としてしまうことがあります。
そのため、**相続の出発点は「相続人調査」**なのです。
第2章 相続人調査の基本ステップ
相続人調査は、主に次の3つのステップで行います。
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍をすべて取得する
➡ 戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍を順番にたどり、生まれてから亡くなるまでの家族関係を確認します。 - 相続人全員の現在の戸籍を確認する
➡ 配偶者や子ども、兄弟姉妹など、相続権のある人全員の戸籍を取得します。 - 戸籍を読み解いて、法定相続人を確定する
➡ 誰が、どの割合で相続するかを整理します。
戸籍の取得先は、全国の市区町村役場です。複数の自治体にまたがる場合も多く、手間と時間がかかります。
第3章 「法定相続情報一覧図」とは?
法務局に提出すると発行される「法定相続情報一覧図」は、相続関係を一目でわかるように整理した書面です。
従来は銀行や不動産登記の手続きで、何通も戸籍謄本を提出する必要がありましたが、この一覧図があれば1枚で証明が可能になります。
主なメリット
- 戸籍一式を何度も提出する手間が省ける
- 無料で交付される(法務局)
- 相続登記・銀行解約など複数手続きに使える
- 相続関係を整理することで、家族間の共有理解が進む
まさに「相続の地図」といえる書類です。
第4章 行政書士に依頼するメリット
相続人調査や一覧図の作成は、個人でも可能ですが、戸籍の収集や読み解きには意外と専門知識が必要です。
行政書士に依頼することで次のような利点があります。
- 各役所への請求を代行できる(時間短縮)
- 複雑な家系(再婚・養子など)でも正確に整理できる
- 法務局提出用の書式を整えてもらえる
- 相続関係説明図・相続関係一覧表などを併せて作成できる
特に、「どの戸籍を請求すればいいかわからない」「遠方の役所に出すのが面倒」という方には、専門家のサポートが有効です。
第5章 まとめ:最初の一歩を確実に
相続手続きの流れは、
①相続人調査 → ②一覧図作成 → ③遺産分割・相続登記へ
という順序で進みます。最初の調査を丁寧に行うことが、後のトラブルを防ぐ最大のポイントです。
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